「胃がムカムカするなぁ」「乗り物酔いがひどい…」そんなとき、どうしますか?
昔から日本でも漢方や家庭療法で親しまれてきた“しょうが”。でも、それはただ風味を添える調味料ではありません。最近の研究では、しょうがに含まれる有効成分が、消化不良改善や血糖コントロール、さらには認知機能やがん予防まで幅広い健康効果を持つ可能性があると報告されているんです。
では、日常的にしょうがを取り入れると、私たちの体にはどんな変化が起こるのでしょうか?仕組みやエビデンス、そして日本人の生活習慣に即した取り入れ方も含めて、わかりやすくお話ししましょう。

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胃の調子を整える:ジンゲロールの働きで胃運動を促進

しょうがに含まれる主要な有効成分「ジンゲロール (gingerol)」は、小腸や胃のセロトニン受容体をブロックし、胃の蠕動(ぜんどう)運動を刺激してくれます。つまり、胃の内容物をスムーズに動かす力を助けてくれるということです。そのため、つわり・妊娠初期のむかつき、抗がん剤治療による悪心・嘔吐、乗り物酔い、食後のもたれなどに昔から利用されてきたんですね。
なぜこれが効果を生むかというと、ジンゲロールが腸と胃の神経伝達を穏やかに調整し、動きを促すホルモンバランスにも働きかけるからです。たとえば、妊娠中のつわりの重い方を対象にした研究では、しょうがを少量飲むことで吐き気症状が軽くなったという報告もあります。
日常では、すりおろした生しょうがをお湯で溶かして飲んだり、料理の最後に少量ふりかけたりするだけでもOK。胃が弱い方は、温かい飲み物に入れてゆっくり飲んでみてください。
生理の痛みを和らげる:非ステロイド鎮痛薬に匹敵する作用
驚くべきことに、しょうがは生理痛の軽減にも効果を示しているという研究があります。ある臨床試験では、しょうがパウダーやカプセルを生理前後に一定期間摂取した群で、イププロフェン(一般的な鎮痛薬)とほぼ同等の痛み軽減効果が確認されたんです。
その背景にはジンゲロールやショウガオールという成分が関係しています。これらは、炎症を引き起こすプロスタグランジンという化学物質を抑制し、子宮の収縮や痛み信号を穏やかにする働きがあります。生理痛が強くて鎮痛薬に頼りがちな方には、サプリメントや温かいしょうが湯での補助的摂取が選択肢として有望です。
ただし、個人差がありますから、症状が重い場合は婦人科での診察を受けることを忘れないでください。
血圧を下げて血管を守る可能性

高血圧は心血管疾患や脳卒中のリスク要因として知られていますが、しょうが摂取が血管を拡張させ、血流を改善し、実際に血圧を低下させる可能性を示す研究もあります。特に、毎日3g以上を8週間以上継続して取った群で、収縮期・拡張期ともに有意な低下が認められたという報告があるんですね。
このメカニズムには、内皮細胞(血管の内壁を覆う細胞)を安定化させる作用や、炎症反応を抑える効果、酸化ストレス軽減が関係していると考えられています。ただし、降圧薬を服用している方は相互作用のリスクがありますから、医師と相談して取り入れてください。
血糖値コントロールとインスリン感受性の改善
第2型糖尿病をお持ちの方にとって、血糖値のコントロールは非常に重要ですが、しょうがもその助けになる可能性が示されています。複数の研究で、空腹時血糖値やHbA1c(過去数か月の血糖コントロール指標)が、1,200mg〜3,000mgのしょうがを毎日8週間以上飲むことで改善した、という報告があるんです。
この作用は、しょうががインスリンの効きを高め、インスリン抵抗性を軽減することによると考えられます。また同時に、酸化ストレスや炎症マーカーも下がる傾向が見られたという点も興味深いですね。とはいえ、糖尿病治療中の方は、血糖降下薬との併用で低血糖が起きやすくなるため、医師管理のもとで摂取量を調整するのが賢明です。
認知機能と脳の健康にも嬉しい可能性

脳の健康や記憶力向上に対しても、しょうがは注目されているんです。ジンゲロールやショウガオールには、神経細胞の炎症や酸化を抑制し、シナプスの活性化を促す作用が報告されています。動物実験においては、しょうが抽出物を与えられた群で学習能力や記憶力が改善したという成果もあります。
人体を対象とした研究はまだ発展途上ですが、将来的にはアルツハイマー型認知症予防などにもつながるかもしれません。「毎日少しのしょうが習慣」が、あなたの将来の脳健康を支える一助になり得る可能性があります。
がん予防への期待:初期研究から見える光

がん予防という観点では、しょうがの抗炎・抗酸化作用が注目されています。特に胃腸系がん(大腸がん、肝がん、膵がんなど)に対して、炎症性マーカーの低下が確認された研究もあります。大腸がんの高リスク群を対象に、しょうが抽出物を摂取したことで腸内炎症指標が改善されたケースが報告されているんですね。
ただ、がんを「治す」ほどの作用ではなく、あくまで予防の一助としての可能性という立ち位置です。日々の食事の中で、抗酸化・抗炎症食品の一つとしてしょうがを取り入れる意義は十分にあります。
呼吸器疾患や喘息への応用可能性
喘息や気管支炎などの呼吸器疾患にも、しょうがが働きかける可能性があります。動物実験では、ジンゲロールが気道の炎症を抑え、気管支の筋肉をリラックスさせる作用が確認され、発作を軽減する効果が報告されたこともあります。
ただし、現段階ではヒトを対象とした臨床研究は限られており、薬の代替とするにはまだ早い段階です。しかし、炎症抑制や呼吸のしやすさの補助として、試してみる価値はあるでしょう。
しょうがの摂取法と注意点:無理なく始めるコツ

しかし、注意点もあります。1日6g以上の過剰摂取は、胃酸過多、胃もたれ、下痢、胸やけなどを引き起こすことがあります。また、抗凝血薬(血をサラサラにする薬)を飲んでいる方は、出血リスクを高める可能性があるため、しょうが摂取前に必ず医師と相談してください。
しょうがは加工形態が多彩で、日常に取り入れやすいのが魅力です。生しょうがをすりおろしてお湯に溶かしたり、しょうが湯、しょうがシロップ(甘く調整したしょうがドリンク)、料理の風味づけや肉の臭みとり、漬物や薬味として活用したり。和食・洋食・中華いずれにもなじみます。
やんちゃな健康ポイント🧑🏻⚕️
これまで見てきたように、しょうがは単なるスパイス以上の存在です。胃腸の調子を整え、生理痛や高血圧、血糖コントロール、認知機能、がん予防、呼吸器の炎症抑制など、多方面で“体を守る助け”になりうるんです。まずは毎日の食卓に「しょうがひとかけら」をプラスすることから始めてみましょう。例えば朝の味噌汁に千切りしょうがを加えるなど、ほんの少しの習慣が健康への第一歩になります。皆さんの体にやさしい毎日になりますように、心から祈っています。



