「砂糖は健康に悪い」とよく言われますよね。最近ではシュガーフリーの食生活が推奨され、砂糖を完全に断つ人も増えています。でも、本当にそれがベストな選択なのでしょうか?最新の研究によると、砂糖を適量摂取することがむしろ健康に良い影響を与える可能性があることが明らかになりました。
ただし、大切なのは**「砂糖の種類と摂取方法」**です。砂糖を完全に避ける必要はありませんが、甘い飲み物(加糖飲料)は控えめにするべきだというのが、今回の研究で示された重要なポイントです。

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砂糖は少なければ少ないほど良い?

私たちは「砂糖はできるだけ控えた方が良い」と思いがちですが、スウェーデンのルンド大学が行った約7万人を対象に20年間続けた研究では、1日の摂取カロリーの5〜7.5%を砂糖から摂取している人が、心臓病のリスクが最も低かったことが分かりました。これは、2000kcalの食事を基準にすると、1日約25〜27.5gの砂糖に相当します。
研究では、砂糖の摂取方法を以下の3つに分類しました。
- トッピング系(はちみつ、ジャムなど)
- お菓子系(チョコレート、アイスクリーム、ペイストリーなど)
- 加糖飲料系(炭酸飲料、フルーツジュースなど)
さらに、脳卒中(2種類)、心筋梗塞、心不全、大動脈瘤、心房細動、大動脈弁狭窄症の7つの心血管疾患との関連を分析しました。その結果、加糖飲料を頻繁に飲む人は、心血管疾患のリスクが大幅に上昇する一方で、適度な甘いものを楽しんでいる人の方が健康指標が良好だったという意外な事実が判明しました。
砂糖入り飲料は健康リスクを上げる?

砂糖の影響は、単に「どれくらい摂るか」ではなく、**「どのように摂るか」**が重要です。研究によると、加糖飲料(炭酸飲料、フルーツジュースなど)を頻繁に飲むことが、心血管疾患の最大のリスク要因であることが判明しました。
週に8回以上加糖飲料を飲む人は、1回以下の人と比べて、以下のリスクが大幅に上昇しました。
- 虚血性脳卒中のリスク:19%増加
- 心不全のリスク:18%増加
- 心房細動(不整脈)のリスク:11%増加
- 腹部大動脈瘤のリスク:31%増加
その理由は、液体の糖分は固形の糖分よりも満腹感を感じにくく、無意識のうちに過剰摂取しやすいためです。例えば、チョコレートを食べるとある程度の満足感がありますが、炭酸飲料を飲むと満腹感が得られず、つい飲み過ぎてしまうのです。つまり、加糖飲料は砂糖の中でも最も避けるべき摂取方法だと言えます。
適度な甘いものは健康に良い?

驚くべきことに、チョコレートやアイスクリームなどを適度に楽しむ人の方が、ほとんど摂取しない人よりも心血管の健康状態が良好であることが分かりました。
研究では、1日の摂取カロリーの5〜7.5%を砂糖から摂取している人は、5%未満の人に比べて、心筋梗塞、心不全、虚血性脳卒中などのリスクが低いことが示されました。
これは、極端な砂糖制限がかえって健康に悪影響を与える可能性を示唆しています。研究者は、砂糖を極端に制限する人は、もともと健康状態に問題があったり、過度に制限的な食生活を送っている可能性があると指摘しています。
また、スウェーデンの「フィーカ(Fika)」文化の影響も考えられます。フィーカとは、コーヒーと一緒にお菓子を楽しむスウェーデン独自の習慣で、人との交流を深め、ストレスを軽減し、全体的な健康を向上させる効果があると考えられています。
やんちゃな健康ポイント🧑🏻⚕️

砂糖は完全に断つ必要はありませんが、加糖飲料は極力避けるべきです。一方で、チョコレートやアイスクリームなどを適量楽しむことは、むしろ健康に良い影響を与える可能性があるということが研究で示されています。無理な食事制限をするよりも、バランスの取れた食生活を意識することが大切ですね!