ぷりぷりのエビ、みなさんはどうやって食べていますか?塩焼きや天ぷら、パスタにガーリック炒め——日本の食卓でもおなじみのエビ料理ですが、「殻や尻尾って食べるもの?」「コレステロール高そうだけど大丈夫?」と、気になる疑問も多いですよね。SNSやテレビでも「エビの殻にはキトサンが入っていて健康にいい!」なんて情報を見かけたことがある方もいると思いますが、それって本当なのでしょうか?
今回は、医学的視点からエビにまつわる健康の誤解をわかりやすく、そして深掘りして解説します!健康意識が高い方、エビ好きな方、ダイエットや生活習慣病予防を意識している方まで、誰にとっても役立つ情報をお届けします。

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キトサンが体にいいって本当?でもそれ、殻を食べても吸収できません

まず皆さんが気になるのが「エビの殻にはキトサンが含まれているから、食べた方がいいのでは?」という話ではないでしょうか。確かに、キトサンは動物性の食物繊維として知られ、腸内で脂肪と結合してそのまま体外に排出する働きがあり、血中コレステロールを低下させる可能性があるとして注目されています。日本でも「コレステロールを下げるサプリメント」として多くの商品に利用されており、特定保健用食品(トクホ)としての認可もあります。
しかしここで誤解しがちなのが、エビの殻にそのまま“キトサン”が入っていると思ってしまう点です。実は、エビやカニの殻にあるのは“キチン”という成分で、このキチンを化学処理で脱アセチル化(deacetylation)という工程を経て、初めてキトサンに変わります。これは人間の消化酵素ではできないプロセスなんです。
つまり、エビの殻をそのまま食べたところで、体の中でキトサンにはならないというわけです。腸を通過する過程でわずかに不溶性食物繊維として働く程度で、「脂肪をブロックする!」といった機能性は期待できません。キトサンとしての健康効果を得たい場合は、やはり適切に処理されたサプリメントなどから摂取するのが現実的です。
とはいえ、殻にはカルシウムや微量ミネラルも含まれているため、カリカリに揚げたり、粉末にしてふりかけにするなどの工夫で取り入れるのはアリです。ただし「キトサン目的」でバリバリ食べるのは、少し期待しすぎかもしれませんね。
エビのコレステロールは高い?心配いらない理由を医学的に解説します

次に「エビってコレステロール高そうで体に悪いんじゃないの?」という不安、ありますよね。実際に、エビ100gあたりのコレステロールは約189mg。これは豚肉や牛肉に比べても高い数字です。しかし重要なのは、食事から摂取するコレステロールが、必ずしも血中コレステロール値を上げるわけではないということです。
肝臓はコレステロールを自ら作り出す機能を持っており、体内での調整が行われます。食事で摂った分が多ければ、体はその分の合成を抑える、というメカニズムがあるのです。実際、アメリカの食事ガイドライン(2015年改訂)では、コレステロールの摂取制限が撤廃されています。つまり、エビを食べたからといって即座に心疾患のリスクが高まる、という単純な構図ではないのです。
さらに興味深いのが、エビに含まれる脂質が非常に少ないという点です。100gあたりの脂質はたったの0.3gと非常に低く、LDLコレステロール(いわゆる悪玉)を上げにくい構成になっています。そのため、高脂血症や動脈硬化を気にする方、ダイエット中の方にもおすすめできるヘルシーな食材です。
加えて、卵に関する研究でも、「1日1個の卵を食べても血中コレステロール値に有意な変化はなかった」という結果が多数報告されています。つまり、「コレステロール=悪」という考えは、もはや時代遅れとも言えるかもしれませんね。
エビは小さな栄養爆弾!タンパク質、タウリン、カルシウムまで揃った優等生

エビの最大の魅力は、何と言ってもその栄養バランスです。高タンパク・低脂肪でありながら、現代人に不足しがちな栄養素をしっかり含んでいます。
まずタンパク質。エビ100gあたりの含有量は24gにもなり、これは鶏むね肉に匹敵するレベルです。筋トレをしている方、成長期の子ども、妊婦さんやシニア世代まで、すべての世代にとって重要な栄養素ですよね。
次にタウリン。これは肝機能の改善や血圧の安定化、自律神経の調整などに役立つアミノ酸様物質で、日本では「疲労回復ドリンク」などにも多く使われています。エビにはこのタウリンが豊富に含まれており、疲れやストレスが溜まりやすい現代人には特に嬉しい成分です。
そして、見逃せないのがカルシウム。エビのカルシウム含有量は魚類の3〜4倍、肉類の7〜8倍にもなると言われています。骨粗鬆症の予防、成長期の骨形成、閉経後の女性の健康管理にも非常に役立ちます。
ブラックタイガーかバナメイか?それより大事なのは「加熱して安全に食べる」こと

スーパーなどで見かける「特大のエビ」、見た目が豪華でつい手に取りたくなりますよね。でもその正体、多くは「バナメイエビ」と呼ばれる養殖エビです。天然の「ブラックタイガー」は確かに味も濃くて美味しいですが、病気に弱く、大量養殖に向いていないため、価格も高めで流通量も少なめです。
気になるのは栄養価の違いですが、これについては科学的な分析で「ほぼ同等」とされています。つまり、価格や入手のしやすさ、調理のしやすさを考えれば、バナメイエビも十分に価値のある選択肢なんです。
ただし、どちらのエビでも共通して言えることは「生食には注意が必要」という点です。特にエビの頭部や内臓には、ビブリオ菌などの食中毒原因菌が潜んでいる可能性があり、日本国内でも毎年夏に感染例が報告されています。
新鮮に見えても「生エビ」は避けて、加熱調理(塩焼き、天ぷら、蒸しエビなど)で美味しく、安全に食べるようにしましょう。特に免疫力が弱い方や小さなお子さん、ご高齢の方は気をつけてくださいね。
やんちゃな健康ポイント🧑🏻⚕️
エビは、まさに“栄養のかたまり”のような存在です。キトサン目的で殻を食べるのはあまり意味がないかもしれませんが、タンパク質、タウリン、カルシウムといった体に嬉しい成分がぎっしり詰まっていて、しかも低脂肪でヘルシー。コレステロールを過剰に気にする必要もなく、安心して楽しめる食材です。大事なのは、安全に、そして賢く取り入れること。しっかり加熱して、美味しく、健康にいただきましょう!
やんちゃな健康ポイント🧑🏻⚕️

エビは、まさに“栄養のかたまり”のような存在です。キトサン目的で殻を食べるのはあまり意味がないかもしれませんが、タンパク質、タウリン、カルシウムといった体に嬉しい成分がぎっしり詰まっていて、しかも低脂肪でヘルシー。コレステロールを過剰に気にする必要もなく、安心して楽しめる食材です。大事なのは、安全に、そして賢く取り入れること。しっかり加熱して、美味しく、健康にいただきましょう!