甘い誘惑にご用心:砂糖の過剰摂取が健康に与える本当の影響とは

「ついつい甘い飲み物を手に取ってしまう」「コーヒーには砂糖を入れないと落ち着かない」——そんな日常の一コマ、思い当たる方も多いのではないでしょうか。甘いものは心を癒してくれる存在でもありますが、実は健康に深く関わるリスクが潜んでいることをご存じですか?特に近年、日本人の食生活の中でも砂糖の摂取量が増加傾向にあり、その影響が懸念されています。今回は、砂糖が私たちの体にどのような影響を及ぼすのか、生理学的・医学的観点からやさしく解説し、日常生活でどう取り入れたら良いかをご紹介します。


日本人の食生活と砂糖の摂取傾向

日本でも近年、清涼飲料水や加工食品の摂取量が増加し、気づかぬうちに「隠れ糖分」を多く摂っている人が少なくありません。実際、厚生労働省の国民健康・栄養調査でも、若年層から中高年にかけて、炭酸飲料や加糖コーヒー、スイーツを通じて糖分摂取量が増加している傾向が見られます。

例えば、缶コーヒー1本に含まれる砂糖の量は約10g〜15g、これは角砂糖で言えば3〜5個分にも相当します。これが毎日となると、想像以上の糖分を体内に取り込んでいることになりますよね。

WHO(世界保健機関)は、1日の砂糖摂取量を「総エネルギー摂取量の10%未満」、理想的には5%未満に抑えることを推奨しています。しかし実際の生活では、この基準を超えてしまうケースが多く、健康への影響が心配されているのです。


砂糖が体に与える影響とは?—インスリン抵抗性と代謝への影響

砂糖を摂取すると、血糖値が急激に上昇し、それに伴って膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは血糖値を下げる働きを担っていますが、過剰な糖分摂取が続くと、体の細胞がインスリンの作用に鈍感になり、「インスリン抵抗性(insulin resistance)」と呼ばれる状態が起こります。

インスリン抵抗性は、2型糖尿病の発症リスクを高めるだけでなく、脂肪肝、高脂血症、心血管疾患など、さまざまな生活習慣病の引き金にもなり得ます。このように、砂糖はただの「甘い楽しみ」ではなく、体内の代謝機能に直接的な影響を及ぼすのです。


肝臓と炎症:見えないところで進行するリスク

砂糖の過剰摂取によって、肝臓には中性脂肪が蓄積されやすくなり、「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」のリスクが高まります。これはお酒を飲まない人にも起こる脂肪肝の一種で、長期的には肝硬変や肝がんへと進行することもある、決して見過ごせない病態です。

また、体内に余分な糖が多いと「慢性炎症(chronic inflammation)」が引き起こされやすくなります。これは免疫機能のバランスを崩し、がんや動脈硬化、認知症といった疾患にも関与することが知られています。


免疫力や脳機能にも影響が?高齢者や子どもこそ注意が必要

砂糖の影響は代謝や肝臓だけにとどまりません。スペインのある研究では、60歳以上の女性を対象にした調査で、1日に2杯以上の加糖飲料を摂取している人は、免疫力が約32%低下する傾向があったという結果も報告されています。

また、アメリカの研究チームが行った動物実験では、思春期に砂糖を多く摂取したラットが、成長後に学習能力や記憶力の低下を示すことがわかりました。腸内環境の悪化や脳神経への影響も含めて、特に成長期の子どもにとっては過剰な糖分摂取が長期的な健康リスクになりかねないのです。


「甘い味」に慣れてしまった現代の味覚

私たちの味覚は繰り返しの刺激によって変化します。つまり、甘いものを頻繁に摂っていると、それに慣れてしまい、より強い甘さを求めるようになる傾向があるのです。この「味覚の順応」が、さらに砂糖摂取量を増やす原因となり、悪循環に陥ることがあります。

日本の食文化においても、昔ながらの和菓子や甘い調味料が多く使われる料理など、自然と糖分を摂取する機会が多く存在しています。便利なコンビニ食や加工食品にも糖分は多く含まれており、「知らないうちに摂り過ぎていた」ということも少なくありませんよね。


日常生活でできる砂糖との付き合い方

まずおすすめしたいのは、「飲み物から変えてみる」ことです。例えば、甘い缶コーヒーやスポーツドリンクを飲む習慣がある方は、無糖のお茶や炭酸水に切り替えてみましょう。最初は物足りなく感じるかもしれませんが、1週間もすれば味覚が変化してきますよ。

次に、「食品表示を確認する」習慣を持つことも大切です。「糖質」「炭水化物」「加糖」などの表記をチェックし、なるべく糖分の少ない商品を選ぶようにしてみましょう。「無糖」や「砂糖不使用」と書かれた製品を意識的に選ぶのも良いですね。

そして、できるだけ「自炊を心がける」こと。自分で調理すれば、調味料や食材の管理がしやすくなり、自然と糖分のコントロールもしやすくなります。和食中心の食生活に戻すことも、バランスの取れた食事を実現する良いきっかけになりますよ。


やんちゃな健康ポイント🧑🏻‍⚕️

Doctor Coucou

砂糖は私たちの生活に彩りを与える存在である一方、摂り過ぎるとさまざまな健康リスクを引き起こす可能性があります。特に代謝や免疫、脳の働きにまで影響するという点では、普段の習慣を少し見直すだけでも大きな変化が期待できるでしょう。
今日からできる小さな一歩として、例えば「毎日1本飲んでいた甘い飲み物を週に2回だけ無糖に変える」ことから始めてみてください。味覚は変わりますし、体もきっと応えてくれます。
健康は一日にしてならず。でも、気づいた日が「最初の一歩」を踏み出すタイミングですよ。あなたの健康を、今日から一緒に育てていきましょう。

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